中国政府、メディア、国民は台湾をどう思っているか。台湾総統選挙のあとの反応を見てみる。

国際問題

 

皆さんこんにちは。

2020年台湾総統選挙が終わりましたが、ネット上ではまだまだ戦いが続いております。
中国政府やメディアがいちゃもんをつけてきているのに加え、ニュースサイトのコメントやTwitterを見ると、一部の中国人が台湾を批判しております。

まあ、共産党政府は歴史を捏造したり隠ぺいするのが得意ですし、このような反応は想定内ですが、中国国民の中にも政府と同じように台湾を批判する声が多く上がっているのは、共産党の洗脳力の凄さだと思いました。

そんなわけで今日は

中国政府は台湾をどう見ているか

中国国民は台湾をどう見ているか

についてお話ししたいと思います。



中国政府の強硬姿勢

 

選挙の結果をうけ、中国政府の報道官は以下のようにコメントしてます。

いかなる台湾独立のたくらみや行動にも断固反対だ

ソース:

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20200112-00000065-nnn-int

 

以下は外交部(耿爽)の発言です:

【意訳】

台湾問題は中国の内政だ。台湾島内の情勢がどう変化しようと、世界に中国は一つしかない。台湾は中国の一部であるという基本的事実は変わらない。中国政府はあくまでも一つの中国原則として、台湾独立・2つの中国・1中1台に反対する立場を変えない。国際社会は一つの中国原則の共通認識を変えない。国際社会が引き続き一つの中国原則を堅持し、中国が台湾独立という分裂運動に反対することを理解し支持してほしい。

【原文】

https://www.fmprc.gov.cn/web/fyrbt_673021/t1731219.shtml

 

選挙の前のことですが、アメリカにある中国大使館の「崔天凯」がニュース番組のインタビューに答えたコメントです。

【意訳】

(MC):来年の台湾地区選挙は、中米関係の台湾に関わる部分で影響が出るんじゃないでしょうか。中国側は対応の準備はできてるのでしょうか。

(崔天凯):明確にしなければならないのは、台湾地区の選挙は中国台湾省の地方選挙だということ。
アメリカ側に関しては、すでに中米間の3つの共同コミュニケで一つの中国政策を承諾している。アメリカ側はこれを守ってほしい。一つの中国の原則の意味は非常に明確で、世界に中国は一つしかない、大陸と台湾は同じ一つの中国に属している、どちらも中国の一部だということ。中国の主権と領土を分けることは認めない。

【原文】

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1654166931970907255&wfr=spider&for=pc&isFailFlag=1

 

中国政府はあくまでも「一つの中国」を掲げ、台湾を統一することしか考えていません。

しかも、「台湾地区」という言い方で、もともと中国の領土であると強調しています。

上記のほかにも、経済制裁する、武力行使するなどと恐喝していますね。

これまで国民党に近寄って台湾内部の民進党への不信感をあおったり色々セコイことをやっていましたが、最終的には理由もなしに無理やり侵攻してくる可能性もあり得ます。

 

中国メディアはどう伝えているか

中国メディアからの批判は、即ち政府からの批判です。

ここは極太のパイプでつながっていますので、政府にとって都合のよい報道しかしません。

新華社

これはどう見ても正常な選挙ではない。蔡氏と民進党が不正行為や抑圧、脅迫などの汚い小細工を用いて得票し、身勝手で強欲、邪悪な本性を完全に露呈した。11日には中国語版の論説でも、蔡氏が票の買収を行った、圧勝には「外部の闇の勢力」が一役買っている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200112-00000020-jij_afp-int

 

これは全くもって根拠のない言いがかりですね。

中国政府が台湾に対して旅行客を制限したり香港デモ隊の弾圧を強行してきたから、最初は国民党を支持していた台湾国民も心変わりして民進党に票を入れたのに、自分でまいた種を民進党の不正行為だとは…。

 

環球時報

中国本土が徐々に力を増す一方、台湾島が徐々に力を弱めているのは避けられない現実だ。

この現実を認めてそれに従うことが、台湾の平和的発展にふさわしい唯一の選択肢だ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200112-00000020-jij_afp-int

 

さらに、NHK海外放送が選挙当日、蔡英文さんが勝利宣言した場面、開票速報で蔡英文さんがリードしている状況などを報じたときに、中国では画面が真っ黒になって放送が中断されたようです…。

https://www.nikkansports.com/general/news/202001120000098.html

出ました、中国の得意技。

その部分だけ放送を切るとか、ヤバすぎですよね、、

このように政府とメディアが連携して「不都合な事実」は遮断され、国民が得られる情報を操作するのです。

これはネット環境をみても明らかです。中国で使えないサービスは多すぎます(Google、Facebook、Twitter、Lineなど)。Baidu、Wechatなど独自のサービスしか使えないようにして、鎖国的に国民を閉じ込めて洗脳してるのです。



 

中国国民はどう認識しているか

 

中国国民が台湾の選挙結果に関してどう考えているのか

この割合に関してはデータがないので明確なことは言えませんが、おそらく以下のような感じだと考えます。

大部分の人は興味がない

一部の人は政府と同じく批判的

一部の人は台湾に擁護的(特に海外留学組など)

 

しかしこの大部分の興味がない人たちも、「台湾は中国の一部である」という共通認識になっています。

それは中国がそのような教育を行っていますし、政府がそのように洗脳しているからです。ネットを見れれば中国が一貫して「台湾は中国の一部である」というスタンスでいることが分かります。

中国のネットやニュースサイトなどを見ても、「台湾地区」「中国台湾」「中国台湾省」などの名称で呼んでいます。

中国版wikiである「百度百科」を見てみると…

はっきりと「台湾は中国の一部である」と書いています。

もちろん日本のwikiを見ても台湾のwikiを見てもそのようなことは書いてありませんが。

 

 

 

話を国民がどう思っているかに戻すと…

台湾に対して批判的な意見も、擁護的な意見もどちらもあります。

以下は中国のニュースサイトのコメントから拾った意見を意訳したものです。

  • 国民党に入れたら台湾も香港と同じになるから
  • 台湾の選挙でだれが総統になったかなんて中国に関係ない
  • アメリカは衰退するだけだから中国についた方がいいのに
  • ゆっくり台湾の奴らに分からせてやればいい

 

さらに以下はまた別のコメント(アメリカ大使館の崔天凯の動画に対する)のスクショですが…

崔天凯に賛同するコメント、さらには台湾民進党を批判するコメント…

 

また中国人でもTwitterをやってる人がたまにいますが、選挙後から結構荒れています。

 

暴言混じりに民進党が汚い勝ち方をしただの、台湾は国家ではないしアメリカも国家と認めてないだろ等々、言いたい放題です。

ただしこのような中国人を批判する中国人もいます。

それに以下のように「台湾の選挙は台湾人の意志が重要」だと、台湾を尊重する中国人もいます。

 

よって、共産党に洗脳されている中国国民は多いですが、それが全てではありません。

 

 

 

1/15補足

主に英語や日本語を勉強している中国の同僚とも話をしましたが、中国国民の政治に対する傾向は主に4つに分かれるとのこと。

1つは、共産党に洗脳されている。

1つは、主に外国語を勉強する人は海外のサイトも見るし外国人の意見も聞くので、共産党が異常であることを知り、疑念を抱くが、自分では何もできないと諦める。

1つは、そもそも自分や家族のことで精一杯なので、共産党が腐っていようがそうでなかろうが、関心がない。というかその余裕がない。

1つは、共産党に反発して国の内部から中国を変えようとする人。

台湾問題についても同様で、政府に洗脳されている人は多いが、特に海外組を中心に、台湾は別の国であり、海外の民主政治に憧れを持っている人も少なからずいるとのことです。

 

中国国民にも様々な人がいることが分かります。

 

上記をまとめて言えること

まず一番に言えることは、中国の強硬姿勢は変わりそうにないこと。

大半の中国人は台湾を中国の一部だと信じていること。

そして政府と一緒になって台湾を批判する中国人が結構多いこと。

そんな中国人を批判するまともな中国人も一部いるということ。

 

今後も中台関係の動向から目が離せません。